三匹の子猫と私(3)

最後に訪れた日から数日後、ふたたび私は小屋を訪ねました。今度は自分だけでした。

「あ。」イヤな予感。スライド式ドアが、きっちりと閉められています。まさか・・・。

静かに近づいても、子猫たちの鳴き声はしません。そおっと開けると、子猫たちはいませんでした。ふと気づくと、手前に母猫が出産した後のような形跡がありました。そっか。ここで産んだんだ。

誰かに連れて行かれたのでしょうか。それとも、母猫が1匹ずつ咥えて、どこか別の場所に子猫たちを移したのでしょうか。わかりません。

各地の保健所の所轄にある「動物管理センター」。ここで一番多いのは、子猫の殺処分だそうです。私は以前、地元の動物管理センターで、子猫の鳴き声とともに、大きな大きな麻袋(大人がしゃがんで入るくらいの大きさ)が、もぞもぞ動いていたのを見たことがあります。

たくさん生まれる野良猫たち。けれど、昔のようにえさをやって地域で育てているところは今、めったにありません。むしろ、増える猫たちが迷惑だということで、「野良猫にえさをやらないでください」という看板を見かけたりします。きっと、むかしの家にはねずみが出たりしていたので、猫が重宝されていたのでしょう。

猫たちがどこかで生きているなら、いまごろはもう大人になっているころです